「その道」に詳しい人達の集まり「〇〇族議員」さんも少なくなってきているのでしょう。想定問答集の模範解答を読み間違えたり、泣きべそかいたり・・・。そんな議員さんばかりだから、不適切な間違いを見抜けないのでしょう。嘆かわしいね。
官僚の言いなりというか、官僚がいないと何もできないダメ議員ばかり。官僚の言い分に文句をつけるのが当たり前だったころが懐かしいね。実力低下どころか何も知らないのでは・・・。
なので、支離滅裂な人が平然とウソついても誰も何も言えないのですね。
「『強行採決』なんて、結党以来考えたこともないし、やったこともない・・・」と大ウソをついたのは誰でしょう???
答えは・・・。「ウソ」はいくつ含まれているでしょう。2つではないですよ!
なかなか読み終わらないこの書籍。
- 作者: 小笠原博毅,山本敦久,鵜飼哲,小泉義之,池内了,酒井隆史,阿部潔,小川てつオ,塚原東吾,原口剛,石川義正,ジュールズ・ボイコフ,フィル・コーエン,テリエ・ハーコンセン,鈴木直文,友常勉,小美濃彰
- 出版社/メーカー: 航思社
- 発売日: 2016/08/17
- メディア: 単行本
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今度はこんな一説を。「オリンピック」だけに限りません。この国に蔓延した「病気」を書き綴っています。
「海の森」でも、「豊洲」でも、「新国立」でも・・・、あなたの町の「〇〇センター」でも・・・。
P.22~
『私のオリンピック反対論』
――――スポーツはもはやオリンピックを必要としない 池内 了
・・・・
「オリンピックの経済的利用に対して」
オリンピックが巨大公共事業の口実になっているということは誰でも知っている。資本主義社会は自由競争を専らとしているようだが、実は国家に大きく寄生したシステムでもある。経済活動を円滑に進めるために必要なインフラ(道路、橋梁、港湾、飛行場、鉄道、交通管理など)の建設や運用の費用は国家が提供しており、それは社会的費用として国民の税金で賄われているからだ。インフラがある程度整ってしまうと公共事業で潤っている土建業などの企業が干上がってしまうから、口実を設けて設備やインフラの更新・新設を行う必要がある。その格好の口実がオリンピックで、競技会場や交通網を整備し、外国からの訪問客のための施設を整え、国家の威信を高めるため都市の見映えをよくするために膨大な税金を投下する。いわば、カンフル注射を打つ(あるいは麻薬を使う)ことで企業が潤い持続するための手助けをしているのである。
面白いのは、公共事業というような大きな金が動くときには、必ず政治家や官僚が歩調を合わせて動き出すことだ。公共事業の中身や規模や進め方に介入して泡銭を稼ごうとするためだろう。彼らの特徴は、国家の金(本来は国民の税金なのだが)をあたかも自分が調達したかのごとく私物化して平気で無駄遣いすることで、巨大な競技場にしたり、余分な設備を重複して発注したり、裏金や謝礼を大盤振る舞いではずんだりする。まさに国家に寄食しているのだ。ところが、オリンピックという大義名分によってそれが許容されてしまう。これは国際的な傾向のようで、見るに見かねて国際オリンピック委員会(IOC)は費用の高騰を抑える勧告をしているほどである(そう言わなければIOC自身の未来も危ういからだ)。しかし、特に日本では聞く耳を持たない政治家が多く、財界からの献金もあって(むろんそれ以上に稼ぐのだが)政官財の利権集団がこぞってオリンピックを食い物にしているといえる。
つまり、オリンピックは国民の税金を堂々と私物化するための体の良い名目で、そこに群がる政界や財界の面々が自己の利益を最大化する絶好の機会として捉えているのである。スポーツ競技は客寄せのための超人的アクロバットであり、使い捨てされる選手だって盛りの間に稼いでおこうと、ついドーピングなどに手を出してしまう(国家優先主義の国々では国が先頭に立ってドーピングを行ってきた)。テレビなどに選手が出演して「日の丸を掲げたい」などと語ると、人々は感激して「麗しいスポーツ物語」が紡がれ、その背後で大きな金が動いている現実が隠されてしまうのだ。このオリンピックの巧妙な経済的利権構造を考えれば、私たちがいかに搾取されており、未来世代に多大な借金を残すことに加担している愚かさがわかると思うのだが・・・・・。
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「オリンピックより地震対策を」
最後に科学者としての論点を述べておきたい。一九二三年の関東大震災から九三年が経った現在、いつ関東地震に襲われるかわからず、さらに東海・東南海・南海の三つの地震が近いうちに連動して起こる可能性も指摘されている。このことを考えれば、オリンピックに無駄金を使うのではなく、天災に強い国造りの方が先決である。四月に起こった熊本地震では、死者の数に比べると、住宅や公共建築物が崩壊して家を離れざるを得ない人々が非常に多く出た。住宅の耐震工事は自己責任だとされていて公共の手が差し伸べられていないためで、これでは住宅が密集した大都市ではさらに膨大な犠牲者が出ることは明らかである。住宅の耐震化は自己責任とせず公費を使って進めることが緊急事と言えるのだ。
今最も心配されるのは首都圏の直下型地震で、これに襲われれば日本の政治・経済が致命的ダメージを受けることは確実である。しかし、「昨日まで地震がなければ明日もない」との鈍感な思いが蔓延しているのか、どの政治家も関東地震のことを真剣に考えようとしない。私は、もはや時間の猶予はないと思っており、政治家が「国民の安全と安心」と口をそろえて述べながら、現実にはオリンピックの事しか頭にないという状況を信じられない思いで見ている。
以上、オリンピック反対論を縷々述べてきたが、今の日本ではそのような意見がまともにマスコミに取り上げられることなく、「オリンピック万歳」しか論じられないことに大きな懸念を抱いている。日本は言論の自由が保障されている気にとは言えなくなっているからだ。そのような民主主義の原点すら守れない日本は、果たしてまともな文化国家と言えるのだろうか。
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明日もゆっくりのんびりいきましょう。