さりげなく・・・

「何で?そうなの!?違うじゃん!」を綴ります。

「書籍読みの途中で・・・」Vol.2

 

 今日も朝から良いお天気です。うす雲が広がって風も少し吹いています。北風ですが冷たくありません。

 毎日朝5時には起きる。このところサボっていた本読みを少し。

 

 まずは、雑誌「世界6月号」から。

世界 2016年 06 月号 [雑誌]

世界 2016年 06 月号 [雑誌]

 

 今月号の特集「死の商人国家になりたいか」の記事の中から、

 

死の商人はどこから来る? イラクの現実と軍事産業」 高遠菜穂子

 

 ・・・・・ 二〇一四年七月、日本の武器輸出三原則の緩和は海外メディアでもトップニュースの扱いだった。日本では「防衛装備移転」という言葉が使われ、経済ニュースとして扱われることが多く、報道から血の匂いはしない。

 しかし、武器というのは人間を殺傷する道具である。

 日本には、日本でしか通用しない訳語がある。武器は防衛装備、軍隊は自衛隊PKO=平和維持作戦は平和維持活動、兵站は後方支援・・・・・、どれも戦闘行為や殺傷に関するイメージが和らげられ、私たちの脳にはそれが刷り込まれてきた。

 だから、「PKOならいい」「後方支援なら問題ない」ということになってしまう。・・・・・

 

・・・・・武器は、人を守る道具ではない。人を殺める道具である。

 それが、イラク戦争で私が学んだ最大の教訓である。・・・・・

 

防衛省・自衛隊:防衛装備移転三原則について

 

 「高遠菜穂子」さんと聞いて思い出される方も多いと思います。現在もイラク支援活動を行っている方で、2004年4月には現地武装勢力に拘束された経験をお持ちの方。

  その寄稿文の中からほんの一部だけ転記してみましたが、実際に現場での活動に基づく記述は、通信社の配信記事をそのままコピペしている各新聞社のお気楽記者のお気楽記事とは比較にならない迫力があります。迫力と同時に通信社からは配信されない事実も含んでいる。

 我が日本でも、「防衛装備移転」という「軟らかい表現」の名前に変えて、実は「武器輸出」を推進する安倍政権。正しく、「死の商人」に成り下がってしまった。

 

 『武器は、人を守る道具ではない。人を殺める道具である』。

 

 この言葉に全てが語られているように思う。

 

 

 次に単行本。

 

「日本人の叡智」 磯田道央 から。

日本人の叡智 (新潮新書)

日本人の叡智 (新潮新書)

 

  「日本人の叡智 先達の言葉は海のごとく広く深い 心に刻むべき98人の思索」。

 

【新名丈夫】(一九〇六~一九八一)

 

 じっさいの政治は、楽屋裏で各省の官僚がやっている。議会では、たんにおしゃべりがおこなわれているに過ぎない。

 

 新聞の役割はまだ見えていない社会の真実を示し、ひとびとの未来を誤らせないようにすることだ。かつて新名丈夫という気骨の記者がいた。

 戦時中、東條英機首相が本土決戦・一億玉砕を叫び女性や子供に竹槍訓練を始めさせた。そんなの勝てるはずがないと思ったが、みんな怖くて黙った。新名だけが書いた。「竹槍では間に合わぬ、飛行機だ」。毎日新聞のこの記事に東條は激怒。強度の近視で三十七歳になっていた新名を二等兵に召集。戦場に送り、殺そうとした。しかし海軍が「大正(に徴兵検査を受けた)の兵隊をたった一人取るのはどういう意味か」と抗議し、新名は除隊。助かった。あわてた陸軍はつじつま合わせのため、新名の出身地香川から三十七歳前後の二五〇人を急遽召集。彼らは硫黄島に送られ全滅した。

 戦後、一人生き残った新名の筆は鋭かった。一九五六(昭和三一)年、『政治 この事実を黙って見のがせるか』を書き、冒頭のような日本政治の問題点を暴露した。国民が自分たちの税金がどのように使われるか、議会を通じてコントロールできておらず、<予算の編成、執行ともに官僚が勝手にやり国会はそれを承認するだけ>になっている。<予算の編成については大蔵省主計局の官僚以外、国会議員たりとも一指触れさせない>のはおかしい。

 つまり予算編成の段階から国民の代表がかかわり政治主導で予算をつくる仕組みがない、と新名は嘆いた。この国は税金の使い道を本当に国民の意思で決められる国家になれるのか。死んでも死にきれなかったであろう新名がいまなお地下で吠えている。

 

【寺田栄吉】(一九〇二~一九九三)

 

 予算を見せられる時にどういう経路によってできたか。我々には、ほとんどわからぬところに私は非常に矛盾を感ずる。

 

 国民の常識は案外に正しい。まともなやり方に気づく力は専門家にではなく、しばしば、一般人の常識に宿る。国会議事録を調べて驚いた。敗戦直後、いまの日本政治の問題点をことごとく指摘していた人物がいた。寺田栄吉。大阪・岸和田の経営者。大日本紡績(現・ユニチカ)の役員から衆議院議員の一年生議員として戦後初の国会で鋭い質問を連発。ニューヨーク・タイムズが一面五段抜きでそれを報じた。

 寺田はまず当時高等文官と呼ばれたキャリア官僚制度がおかしいと指摘。「二十五、六歳にして地方府県の課長に就くなど滑稽」「課長級以上は全部民間の現場経験者を以て替えるべきだ」。この際、高級官僚の受験資格を<民間経験五年以上>にして国民感覚の政府をつくれといった。また寺田は特別会計制度が日本のアキレス腱になるとも指摘した。「特別会計が日本の予算においては世界に類例がないほど多い。そのために予算が非常に見にくい」。大阪商人の直感であった。政府がやる事業は<事業各自の独立した収支決算はほとんど出ない。一般国民はもちろん知らない>から問題が起きる。

 寺田は予算編成を密室で行うこの国のやり方にも異を唱えた。予算を編成段階から公開の場で議論する公聴会を提案した。しかしこの質問の直後、寺田は財閥の一員とされ突如、公職追放吉田茂の政敵追放=「Y項パージ」と、噂された。

 それからずいぶんたって、「事業仕分け」というものも行われた。これもひとつの試みだろう。「予算というものが・・・・・国民一般の共有物である、自分たちのものだというような感じを受けるようになる」(当時の主計局長答弁)、その地点をめざして一歩一歩、とにかく歩みたい。

 

 先人の言葉をよ~く噛み締めて読んでいただき、諸策に反映していただきたいと思うのは私だけではないと思う。

 こういった方々が安倍政権の内外におられたら・・・と思ったりもする。もっとも、そのような方々がおられたら安倍政権などできるはずもないが・・・。

 

 

 次に、

 この方は、この場に及んでも、責任を他者に転嫁し、未だに居心地の良い地位にしがみつこうともがいている。無駄なもがきだが。普通の感覚を持っている者なら、恥ずかしくて言い出せないような釈明をして返金するという。返金すれば済む問題でもなかろう。自ら泥沼に入っていくようなものだ。

 しかし、肝心の都議会からの反応が報道されない。報道管制か?、それとも・・・弱みが都議会全体にもあるか?。

www.msn.com

 この方には「公私混同」がぴったり当てはまる。

 

 公私のスケジュールをキャンセルして、弁護士と綿密な協議を(言い訳を探す)したのだろうが、その結果がこの程度。弁護士さんも大変ですね。この程度しか釈明できないとは。自分達から「クロ」と言っているようなもの。

 

 とまれ!。

 私は都民じゃないから、どっちでも良いが、この方の見識と行動は許せない!。

 

 

 今日も明日もゆっくりのんびりいきましょう。